森と川と海

暗い人工林に関係する川は、大雨や長雨の影響を受け、すぐに茶色く濁って増水してしまいます。
日照りが少し続けば水位が下がる・・・というような、不安定な川です。
魚たちにとって、住みにくい環境だと言えるでしょう。

森が本来の姿に戻ると、大雨が降っても水は澄んだまま、極端な増水も滅多にすることはありません。
日照りが続いても、ゆっくりと水が浸透しているので、水位も安定します。魚の暮らしも安定することでしょう。

そうすると、お魚をいただく動物たちも大喜びという環境になりますね。

森が豊かになると、川も豊かになるのです。

これは、横浜の水源を守る団体が実施された実験の映像です。

https://youtu.be/iw9dpjW2_MA

健康な自然のままの森植物が多様に生息する林に雨が降ると、右の箱のようにゆっくりと土に浸透します。
やがて地下水となって、適量ずつ沢に注いだり、湧水となったりします。

一方、自然の理にかなっていない人工林や、無理なペースで伐採されたような山は、左の箱のように土砂と雨水が川にダイレクトに流れ込み、山の栄養や保水力などがどんどん貧しくなります。
土砂災害にも直結していきます。

 一方、自然の理にかなっていない人工林や、
無理なペースで伐採されたような山は、
左の箱のように土砂と雨水が川にダイレクトに流れ込み、
山の栄養や保水力などがどんどん貧しくなります。

土砂災害にも直結していきます。

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暗い放置人工林の手入れをすると、

やがて、
スギ・ヒノキの下に落葉広葉樹をはじめ、
多様な植物が育ち始めます。

落葉広葉樹は、秋に葉っぱが色づき、
やがて地面に落ちます。

落ち葉は枯れ、バクテリアや菌たちが分解します。

その時に出来る成分が、
土の中の鉄分と結合してイオン化し、
川そして海へと流れ込みます。

海のプランクトンや海藻類は、
成長時に窒素・リン酸・カリウムという養分の他に、
スターターとして鉄分が必要です。

地中の鉄そのままでは、
粒子が大きすぎて摂取すること出来ず、

イオン化することで、
はじめて吸収できるようになるのだそうです。

ブナの木などの広葉樹のある豊かな森と繋がる海には、
栄養分豊富なプランクトンや海藻が、
たくさん育ちます。

そして、さらにそれを求めて、
魚が集まってきます。

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森が豊かになると海も豊かになるのです。


日本には3万5千もの河川があります。

その上流の山が復活するだけで、
日本はもう一度、
豊かな森と川と海の国
戻るのです。