~もののけ姫の世界と、生物多様性~お話会①

 オリジナリティあふれるそれぞれの立場から
 地球を愛する皆さま、ごきげんよう🌎
 
 
もののけ姫の世界と、生物多様性~という
 
タイトルの、坂田昌子さんのトークイベントに参加してきました。
 
https://www.facebook.com/events/730225044166592/
 


開催されたモモの家(大阪府吹田市)の
今日のカフェ ケーキには コダマがのっていました
 
坂田さんは、
高尾山を中心に、日本中と世界をフィールドに活動されている
生物多様性に関するスペシャリストであり、
ネイチャーガイドもなさる女性。
COPなどにも参加される環境活動・環境啓発活動家。
 
高尾山では、割と頻繁にお話会をされており、
「もののけ姫の世界と生物多様性」という
タイトルでも何度かされているのを知っていて、
 
大阪→高尾山の距離にジリジリしていましたので、
今回とても楽しみにしていました。
 
坂田さんのお話会を聴く機会自体は5回目くらいですが、
生態系や生物多様性が、
「希少動物や日本の固定種を守ろう!」
みたいな規模の話ではなく、
 
 
 
いきものとして生き地球を維持するのに、
 
生物が多様であるってことは、
語るまでもなく必要不可欠であること。
 
という内容で、
 
生態系とは?から、
自然との関わり方と価値観の関係の話や、
宗教観や歴史・時代背景・文化などとも絡めた興味深いトークなので
本当に面白いのです。
 
 
 
で、
 
今日は、
映画「もののけ姫」の設定や背景や文化と生物多様性の話。
 
キーパーソンが、サン(もののけ姫)とエボシ(たたらばの主人)で
あることから、ジェンダーに関することも多く聴けました。
 
 
もののけ姫は、
室町時代頃の日本の設定で、
世紀末であった1997年に制作された作品。
 
白拍子の装束を身にまとい、自分の理想郷づくりの為なら
自然破壊もいとわない行動的な女性のエボシ。
20~21世紀の象徴。
 
純粋に当たり前に、森や動植物すべてと
神や精霊たちを慈しむサン(もののけ姫)。
それまでの日本人の価値観。
 
その二人の女神対決のようなものが、軸。
 
サンの在り方やスピリットに惹かれながらも、
エボシの野心に抗うこともできずにいる(元)蝦夷のアシタカは、
わたしたちに近いのかもしれません。
 

 
室町時代、「人間はシシ神を殺した」というのは
象徴ではあるが、
事実でもあるようで、
その頃から、人の自然に対する感覚が大きく変化したようです。
 
 
アシタカとサンが、シシ神の首を返し、
一見 蘇ったように見える森は、
かつての森ではなく、
また別のカタチの森。
 
わたしは「まだ若い森だからかな?」と思い観ていましたが、
 
鬱蒼と木々が繁り、うかつに入ることを躊躇うような深く暗い森は
人間たちが恐れ敬っていたかつての森、
 
比較的明るい新しい森は、人間が自然を軽視しはじめたことの表現、
 
だったようです。
 
※たたら(日本の製鉄)は、地中で酸化した鉄分を
膨大なエネルギーを使用して取り出す作業なので、
重大な自然破壊を伴うのだそうです。
 

 
結局アシタカは、
エボシが仕切るたたらばで暮らすようになるものの、
 
サンの存在という「棘」が、ずっと心に刺さったままなのだ
 
という坂田さんの表現は、すっと腑に落ちました。
 
 
「その棘がささっていない人が、
木を伐り、猟をし、漁をし、農に関わる。」
 
以前とある場所で「こわい」と感じたあの感覚は、
言葉になるとそういうことだ。と、
はっとしました。
 
 
「人が自然を恐れ敬うことをやめると、
人が自然から離れると、
そこには女性や障がい者などに対する差別が生まれる。」
 
その話も、めちゃめちゃ面白かったのですが、
またの機会に書きます。
 
もののけ姫が作られる時に
そういう世界観のベースになったとされる
網野善彦さんという方の本も読んでみたい。
 
坂田さんのおっしゃる「生物多様性」のお話は
どういうカタチででもいいので、
ひとりでも多くの方に触れて欲しいことの
ひとつです。
 
是非。